世界最大のダイヤの原石、そのお値段は?!
[caption id="attachment_94" align="aligncenter" width="1500"] Expensive Depth of Field / sirtrentalot[/caption]
英宝石商グラフ(Graff)は26日、テニスボールほどの大きさがある世界最大のダイヤモンド原石を5300万ドル(約59億円)で購入したと発表した。「レセディ・ラ・ロナ(Lesedi La Rona)」と呼ばれるこのダイヤ原石は、2015年にボツワナのカロウェ(Karowe)鉱山で発見された。サイズは1109カラットで、カナダの採掘企業ルカラ・ダイヤモンド(Lucara Diamond)がグラフに売却した。
情報源: 世界最大のダイヤ原石、59億円で売却 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
世界最大のダイヤモンドの原石、そのお値段59億円!!
途方もなく高いのは確かなんですが、もはやどれくらい高いのかもよくわからないですね。
ダイヤモンドの値段は4Cと言われるカラット(重さ)、カット(輝き)、カラー(色)、クラリティ(透明度)の4つの要素によってその価値、価格が決まるそうです。
今回は原石ということで、このあとカットされ加工されることでより価値が上がっていくことでしょう。カットされたあとの価格も楽しみですが、どんな輝きになるのかも非常に楽しみです。
ダイヤモンドはどうして高いのか
もう常識として認識されているダイヤモンドの価値ですが、改めて考えるとなぜそんなに高いのでしょうか?なんとなくあんまり採れないからでしょっていうのはわかるけど、それ以外に理由なんてあるの?ちょっとだけ深堀してみようと思います。ダイヤモンドだけに。
多くは採れない
まずはこれですね。多く採れないから希少性が生まれ、価値があがるわけです。世の常識ですよね。
ダイヤモンドは地下150㎞の岩石の中で生まれるそうですが、現在の技術ではせいぜい12㎞しか掘れないそうです。、、、全然届かないですね。
そのため、地表に出来てきたわずかなダイヤモンドを採掘するしかないため、非常に希少性が高いのです。なんと4トンの岩石の採掘でわずか1カラットのダイヤモンドにしかならないそう。そのうち市場に出回るのはさらに4分の1なんだそう。なんとも途方もない話ですね。
デビアス社という会社
デビアス社って知っていますか?
今でこそダイヤモンドのシェアが50%程度ですが、以前は全世界の90%以上と、市場を独占していた会社です。
そんなデビアス社によってダイヤモンドは現在のような価格になったのです。
どういうことでしょうか?
実は1900年代にかけて採掘技術の進歩や莫大な資本の流入により採掘量が大幅に増加したのです。その結果、多くのダイヤモンドが市場に出回り値崩れが起き始めていました。そのままではおそらく現在ではダイヤモンドはそれほど価値のある宝石とはなっていなかったことでしょう。
デビアス社は様々な対策を講じました。
・生産調整を行い、過剰にダイヤモンドが供給されないようにした。
・採掘されたダイヤモンドをすべて買い取り、出荷もコントロールした。
・ダイヤモンドのブランディング戦略をおこなった。
などなど様々な対策を講じることでダイヤモンドの価値が下がらないようにしたのです。
「ダイヤモンドは永遠の輝き」などのキャッチコピーはデビアス社が行ったものであり、このキャッチコピーによって多くの人が婚約指輪として購入し、ダイヤモンドは他の宝石とは一線を画すワンランク上の宝石となりえたと思います。ブランディング戦略としては大成功を納めたすばらしい例だと思います。
こうしたデビアス社の働きによりダイヤモンドの価格は維持され、値崩れによる廉売によりダイヤモンドに携わる業界が疲弊しない、今の形になったのでしょう。
人工ダイヤモンドの存在
1970年ころには宝石と同等の品質の人工ダイヤモンドが開発され、現在では数百万年をかけてうまれる天然ダイヤモンドに対して、わずか2週間で作成できるそう。コストも天然ダイヤモンドに比べて半分と、いつの日か天然ダイヤモンドにとって代わる日も近いのではないだろうか。