駄菓子屋は果たして儲かるのか?
[caption id="attachment_78" align="aligncenter" width="640"] Colorful cheap sweets / wakanmuri[/caption]
駄菓子屋は果たして儲かるのか?
最近ある漫画の影響で駄菓子屋の思い出にふけっていると、ふと駄菓子屋はそもそも儲かるのか?と純粋に疑問が湧いた。大人になってよく考えると、あんなに単価が安く、しかも客層の99%が子どもというビジネススタイルで儲かるのか、いや、もっというとやっていけるのかと不思議でならない。
そこで少し調べてみました。
駄菓子屋の存在
子どもの楽園であり、第ニの学校でもある駄菓子屋だが、近年はその数もめっきり減っているようで、あるデータによれば約30年で10分の1にまで減ってしまっているともいわれている。
私自身も昔100円を握りしめ、足繁く通った駄菓子屋があったが、先日近くを通る機会があったため、店に行くと昔は閉まることが無かったシャッターが閉まっており、看板が外されたのか、日焼け跡のようにその駄菓子屋の店名が残されているだけになっていた。
後継者がいないとか少子化の影響だとか言われているが、理由はどうあれ、駄菓子屋は子ども時代の大事な社交場であり、たくさんの思い出が詰まった大事な場所であった。
駄菓子屋にあるクジを引いたことがある人は分かると思うが、あれはあまり当たらない。店の儲けのためにそうなっているわけではない。ギャンブルは負けるもので、やるだけ損なのだと学ばせるためにそうなっているそうだ。また、イタズラが過ぎたりすると店主にはひどく怒られたものだ。そういう意味では第ニの学校でもあるとも言えないだろうか。
駄菓子屋の儲け
駄菓子屋の儲けってなんだろうか。
聞くところによると駄菓子の粗利は30%くらいらしいですね。つまり100円のものが売れれば30円の粗利です。粗利なのでこの中から光熱費や家賃、人件費から消費期限切れによる廃棄ロス、万引きなどのロス分などまでの経費を差し引くので、もともと単価が安く、売上自体も低いので手元にはほとんど残らないのではないかと思います。
なので駄菓子だけではなく、自動販売機やガチャポン、アナログゲームなどを設置して収益源を増やすのが一般的ではないでしょうか。
なぜ駄菓子屋は潰れないのか
上述のとおり駄菓子屋の経営は厳しいようですが、条件が整えば持続可能な経営なのかもしれません。
中でも店舗が自宅の一角を改装したものなど家賃がかからないというのは大きな理想的なポイントではないだろうか。駄菓子屋の売上やそこからの利益を考えると家賃が経営に与える影響は通常の小売に比べ非常に大きいからです。
それでももちろん立地条件は重要で子どものいない地域で駄菓子屋をやることの結果は火を見るよりも明らかであることは言うまでもありません。
粗利30%というのも小売の粗利としては決して悪くありません。安売りの必要もないわけですから、安定的に30%の粗利は確保できるわけです。
消費期限の廃棄についても駄菓子は消費期限の長いものも多く、発注に少し気をつければそこまでの廃棄ロスとはならないだろうと考えます。
その他にも、引退した世代が片手間でやるため人件費がかからない、集客のために店舗をオシャレに改装する必要がないなど、店舗運営にかかる経費が非常に少ないという点が駄菓子屋の経営を支えている最大の要因ではないだろうか。
駄菓子屋は儲けではない
もちろん儲けのため駄菓子屋をやっている人もいます。スーパーなどにテナントとして出店したり、イベントなどで出店したりする駄菓子屋は儲けるための駄菓子屋の典型ではないだろうか。
それ自体を否定するつもりは毛頭ないし、私もそういった駄菓子屋は利用させていただいている。
ただ、住宅街のおばちゃんがやっているような駄菓子屋はおそらく儲けは考えていない。
趣味としての商売であり、子どもたちとの会話やふれあいを楽しんでいるだけなのではないでしょうか。
儲けはなくても生きがいとしての駄菓子屋があるんだと思います。
儲けようとしないからこそ子どもたちが集まって来やすいのかもしれませんね。